見落とされがちな物流費用

 皆さん、こんにちは!

 このところ猛威を振るっている新型コロナウィルスの影響で商売が厳しくなり、これまでやったことがないけど海外との取引に目を向けてみようとチャレンジされている会社さんが増えてきています。

 弊社はそのようなお客様がスタートでこけないよう、良い地盤を築かれるよう、側面からしっかりとサポートさせて頂いております。
 そんな中、少し気になった点がありましたので共有させて頂ければと思った次第です。

 特に船を使っての貿易の場合なのですが、皆さんは見積もりをどちらに依頼されますでしょうか? 一般的には乙仲(通関業者)と輸送業者(船会社等)かと思いますが、中にはフォワーダー、NVOCCに通関と輸送すべて見積もり依頼をするパターンもあるかと思います。
 見積もりを依頼される側も、インコタームズをお客様に伺った上でどの部分が自分たちの請求でどの部分が立替請求となるのか分かるように見積もりをすれば良いのですが、なかなかそこまで気を利かせて見積もりをしてくれるところも少ないような気がしています。

 そこで今回、私の長年の経験から一番気を付けといけないところ(見落とされがちな物流費用)について、以下の2パターンを情報共有させて頂きますので、皆さんのご参考になれば幸いです。

① 日本発の輸出の場合 : FOBの場合の船会社からの請求費用
② 日本着の輸入の場合 : CIF(C&F)の場合の船会社からの請求費用

 何故気を付けなければならないか・・・これは乙仲(通関業者)=通関部分と、船会社=輸送部分をそれぞれ別々に見積もりを取っている場合に起こりがちです。

 まず、①の場合、FOBで輸出するので、通常、船の手配は輸入者側、と考えるかと思います。なので、輸出者は乙仲から見積もりを取ればコストの算出完了、と思いますが、ここに落とし穴があって、「FOB=積込港で船に搭載するまでのコスト負担」となりますので通関に係わる費用以外にも港内で掛かる費用があります。
 一般的に乙仲に見積もりを取ると通関とCYに搬入するまでの見積もりはもらえるかと思いますが、そこから先、船に積み込むまでの費用の見積もりは依頼をしないと通常はもらえません。
 この部分は船会社範疇なのですが、船会社は輸入者が決めた船会社なのでそちらから別途見積もりを取る必要があったんですね。ここを失念すると、船会社から突然請求を受けることになります。しかも支払うまではBLを返却してもらえませんので、十分にご注意ください!

 続いて②の場合、今度はCIFで輸入するので、これも船の手配は輸出側で行われるため、船が到着するまで待っておけばいいので、輸入通関と港から納品先までの見積もりを乙仲からもらってコストの算出完了!かと思いますが、ここも落とし穴です。「CIF=荷揚港に船が到着するまでは輸出者のコスト負担」ということですので、船から降ろす費用は別途船会社から請求されるんですよね。
 これが盲点で、あまり貿易に慣れていない担当者さんはなかなか気付けず、あとから想定以上にコストが掛かった・・・!見積もりと違った・・・!など泣き寝入りを強いられる場面かと思います。

 ではこれら、①、②の費用が実際いくらなのかは船会社、混載業者によって独自の設定がありますし、国や地域(日本発の輸出の場合は仕向地、日本着の輸入の場合は仕出地)によっても異なる(同じ作業なのに何故?)ので、その船積みで使用される輸送会社にご確認頂く必要がありますが、弊社にお問い合わせいただければ大体の費用は分かりますので、お気軽にご連絡ください。

Follow me!

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です