インコタームズ // CIFとCIP の違いについて

皆さん、こんにちは!

最近インコタームズについてのご質問が増えており、私もいろいろと調べることが多いのですが、昔から個人的に気なっていたCIFとCIPって何が違うの?ってことについて書かせていただきますね。

この違いで、費用負担の範囲について輸出者側と輸入者側とでもめるケースが今まで何度かありました。

ざっくりとした結論から言うと、CIPとCIFは「リスク移転される場所が異なる」という点のみでの違いになります。

これだとざっくり過ぎますので、以下説明しますね。

【そもそも論】
CIF - コンテナ船が出来る前の在来積み船時代に策定されたターム

CIP - CIFをベースにコンテナ船積み用に合理化されたターム (いかなる運送手段に対しても使用できる)

【 CIFのポイント 】
リスク   ⇒ 発地側にて本船甲板にコンテナが着地した時点で移転

輸送コスト ⇒ 着地側にて本船甲板からコンテナが離れた時点から輸入者負担

【 CIPのポイント 】
リスク   ⇒ 発地側の「輸送業者」にコンテナを引き渡した時点で移転
輸送コスト ⇒ 着地側の「輸送業者」から引き取った時点から輸入者負担

CIP の場合、この「輸送業者」 が何を表すのかがポイントで、それを「船社」と認識すれば CIF とほとんど変わらず、ただ、着地側の港湾費用(THC, Documenation)も船社作業の範疇なので、輸出者負担等いう考え方は存在しますが、この点をSHPR/CNEE間で共通認識を持って頂ければ問題は起こらないかと思います。
逆に「NVOCC / FORWARDER」を「輸送業者」として認識した場合がやっかいで、その「NVOCC/FORWARDER」がどこまでの作業をするか次第になります。

ただ、CIP というタームはあくまで CIF をコンテナ船用に合理化したタームであるということを鑑みれば、船から積み下ろす費用はCNEE負担という考え方でも良いものかと思います。

なんかはっきりしませんね。このようにいろいろと解釈が出来てしまうことがもめる原因なんですね。

CIFはインコタームズが策定された1936年以降世界に深く根付いていますが、CIP は1980年以降になった策定され、長い貿易の歴史の中に於いては最近使われだしたタームなので、世界共通理解という点ではまだまだな部分もあり、それ故、費用負担範囲でのトラブルが散見されているんです。

一部資料によると、

「売主は、自己が指定した運送人などに物品を引き渡し,指定仕向地まで物品を運送するのに必要な運送契約を締結し,その輸送費を負担する義務を負う。」

とも書かれているため、最終の納入先倉庫までの輸送費用は輸出者側負担と理解することもできます。
これは先述の「輸送業者」を「NVOCC/FORWARDER」と解釈しているからだと考えています。

売主が「NVOCC/FORWARDER」を使用せず、船社に直接ブッキングしている場合はこのような解釈は生じません

具体的にこのような理解のずれが発生するため、売主、買主双方で「どこからどこまでの費用を売主/買主が負担するか」について共通理解を持っておくことが非常に重要になるのです。

インコタームズは単なるルールなので強制力はなく、ある意味、ただの指標です。

極論ですが、双方が了解の上、同じ認識さえ持っていればどんなインコタームズを利用しても問題ないのです。極論すぎますが…。

こんな感じでご理解いただけましたでしょうか?

国際物流に関するご質問やこんな部分について教えてほしい、などのリクエスト有りましたらどしどしお寄せください。

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so.umeda@soshin-intl.com
【担当:梅田】

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